これはLIVEに割と行くようになってから思っている事なんですけど、例えばものすごいLIVEをぶちかますとするじゃないですか。それはもう今まで聴いた事無いような、物凄い音楽と言うのが存在するんです。
で、その物凄い音楽と言うのは普通に理解するにはあまりにも高尚過ぎていたり、どう反応して良いのかわからないほどの素晴らしさ、見惚れると言うのもまた違うのかな…圧倒される感覚ってあると思うんですよ。多分オーディエンスのみなさんはその音楽に巡り合えていればきっと共感してもらえる事と存じ上げます。
CDが当たり前だった時代、無い金を振り絞ってドキドキして買っていた頃がありました。そんな中で巡り合えた超名曲と言うものは、一生もので、忘れられない、何にも代えがたい価値があると思っています。そんな経験を何度もしているからこそ音楽にハマったのであって、あの鳥肌の立つような瞬間をまた味わいたくて音源を拝聴し、またLIVEに足を運ぶのです。
もちろん期待はずれな時はたくさんありますし、そんな一生ものほどの瞬間は毎回訪れる訳ではありません。でも未だにそんな音源やパフォーマンス、演奏、そして時間に巡り合える時が何度かあるので、それはとても音楽が素晴らしい物なのだと言う証明なのだと個人的には思っていますし、同じような経験がある方々が少なくないからこそ、音楽は成り立っているのではないかと思う訳です。
もちろん人それぞれ好みがありますから、特に細分化された現在では、なかなか万人受けする音楽と言うものは、最小公約数な音楽で、クオリティが高いもので無いとなかなか難しいと思うのです。
そんな制作側とオーディエンスが抱えるジレンマがどうしてもついて回るのですが、その中でもある部分に特化した音楽を奏でているアーティストは、あまり知られていないだけで少なくありません。それは個性であり、魅力であり、例えば食指が働かないような人間がいるかもしれませんが、それを望む人間にとっては、最高であり最強の振り切った音楽と言うものが存在しています。そして自分自身がそれを目に耳にする回数は決して少なくないです。
もちろんアーティスト側の不調が出てしまう時があるのですが、色々な要素が奇跡的に重なり合った瞬間、それはもう掛け値なしで、『ああ、ここで死んでも良い』と思えるような音楽を目に耳に出来る瞬間と言うものは存在するのです。別に死にたい訳では無いですけどね。
それはもちろん多くは無いですけど皆無でも無いのです。どれだけ自分がそこに辿り着けるかの探究心やそれなりの努力も必要になってくるとは思いますけどね。それはそれでその過程がとても楽しくて素晴らしい物だと思っています。
かなり遠回りになってしまいました。
そしてそれを生み出す事の出来るアーティストは、時に称賛であったり、しんみりとした中での余韻を味わいたくてオーディエンスが沈黙していたり、拍手喝采が暖かく溢れ出て来たり、行動に出なくても涙が流れたり震えが止まらなかったりもする訳です。
ここで強く声を大にして言いたいのは、
沈黙=批判
では無いと言う事。もちろんコール&レスポンスと言う状態はとても心地良くて、アーティストとオーディエンスの交流であると思うのでそれはとても貴重で素晴らしい事だとは思うんですけどね。なのでそう言った行為を否定している訳でも無いですよ。出来るのであればどんどんやって良いと思いますし、それをしやすい楽曲が存在していたり、意図的にそれを生み出す楽曲、空間、煽りなどがあるのも必然の流れだと思います。
でも自分が見聞きした限りでは、例を挙げればLUNA SEAだってMERRYだってkeinだって、メンバーより観客が少ないなんてLIVEがあったり、圧倒されまくって声が出ないなんて経験をしていたそうです。なので特にそれはそれで良いのでは無いか、凄い物は凄い、胸を張って自分の信じる音楽を突き進んで行って欲しいと思ったりするのです。
そんなことは言われなくてもわかってるよ!と怒られそうではありますし(笑)、制作・演奏する以上は何かしらの反応が欲しいと言う気持ちも痛い程わかります。自分もまがりなりにも下手くそなりに音楽を作ったり、ステージに上がった事は何度かあるので。
最近結構そういうバンドに巡り合える瞬間が少なくないので、
『大丈夫、凄い、凄いですよ!本当に胸を張って突き進んで行ってください!感動して声も出ない時があるんです!良い反応が出来なくて本当に申し訳ないんですけど、微動だに出来ない程素晴らしい音楽をありがとうございます!』
と一人一人に会って伝えたいですね。面と向かって。もちろん伝えるきっかけを与えてくれる幸也さんみたいな方もありがたい事にいらっしゃるんですけど、さすがにそのアーティスト全員と連絡が取れるような状態では無いので、こうして自分の狭い空間の中で文章にする事しか出来なかったりします。
この心の中の想いを正確に文章にするのはとてもとても難しいですし、物凄いパワーが必要になるのでなかなか全てを形にするのは時間が掛かるんですけどね。命が続く限り、出来るだけ文章化しておこうと思っているので、もし万が一読んで下さる方がいらっしゃるのであればご容赦下さい。
そして同じくらい、自分だけが最初に反応をすると言うのもとても難しくて勇気のいる事です。なのでオーディエンス側としては、それが出来ない人も仕方が無いよね、と思ったりします。
でも、アーティストはきっと、口に出したり文章にしている方もいらっしゃいますが、あなたの反応を待っています。自分も待ってもらえてると良いなあと思いますけど、一人よりは二人、二人よりはもっと多くの声がアーティストのモチベーションや確固たる信念を支えることが出来ると思います。
自分が出来ないことだって多々あります。自分自身が不調の時や、ちょっとした心配から出来なかったりする事もありますしね。だけどきっとあなたの声をアーティストさんは待っていらっしゃると思うので、何かしらの形で伝えてください。毎回じゃ無くても、一回でも多い方がきっと喜んでもらえると思います。頑張ってください。自分も頑張ります(笑)。
なかなかね。経済力や時間には限りがあって、したくても出来ない事ってたくさんあるんですけどね。LIVEに行きたくても行けない人もいるでしょうし、音源が買いたくても買えない人も多数いらっしゃると思います。
自分だって金と時間と体力がいくらでもあるのなら、世界中飛びまわって本当に比喩では無く、人生を支えてくれた音楽を生み出してくれた方々一人一人を応援したいし体感したいし感謝を伝え続けたいです。通えなくても応援している方々はいらっしゃるんです。反応出来なくても愛しているアーティストはたくさんいます。本命は決まってますけどね。それでも全てを網羅するのは不可能です。
時間を同じくできるのであれば、望んでいるであろう事に全力で応えたい。でも人と人はすれ違いがあったり、いつでも全力でいられるとは限りません。なので、アーティストの方々も、どうか生暖かい眼で我々オーディエンスの反応を待ってやってください。音楽が素晴らしければ、奇跡の瞬間は必ず訪れると思います。そしてそれを何度も体感してらっしゃるアーティストも少なくないでしょう。だからこそ続けている方々もいらっしゃるのだと思います。
どうか自分自身を信じて、続けられる限り、自分の道を追求し突き進んで行ってください。それはもしかしたら誰かとは合わないものであるかもしれません。ですが、突き詰めて行けば必ずどこかで波長の合う、シンクロシニティを感じられるオーディエンスが現れると思います。実践しているアーティストの方々も多いでしょう。もしいつか自分が時間を同じくする瞬間が訪れるのであれば、よろしくお願い致します。
そして既に時間を同じくしているアーティストのみなさん。今後ともよろしくお願い致します。