会場:新宿SAMURAI
出演:藤田幸也(Vo)/一也(Vn)/坪本伸作(Ag&Cho)/吉岡寿之(Pf)
最近は仕事後とかにLIVEに行く事も多くて割と開演ギリギリにお邪魔することも多かったのですが、会場前に並べたので結構余裕持っての参戦が出来ました新宿SAMURAI。
吉岡先生のピアノインストアルバムが会場内に流れる中、SEに壊れたこころ_Piano Ver.が流れての開演です。
拍手喝采の中出演者入場。しっとりとした雰囲気の中、静かな幕開けです。
ここ最近何度か聴かせて頂いているLullabyから。坪本伸作くんのコード弾きから、幸也さんの優しい歌声が紡ぎ出される。吉岡先生のピアノ、一也さんのバイオリンが入って行く。まさに子守唄。全員の優しさ溢れる包み込むような旋律が会場内を包む。身体も自然と波のように揺れる。坪本伸作くんのコーラスも絶妙。飽きの来ないメロディが繰り返される。拍手喝采。
そしてD≒SIREのデモテイクの入ったアルバムにも収録されている君がいない。こちらも同じような優しさも感じるものの、切なさと虚しさを内包した楽曲。それぞれの旋律にも少し哀しみの色が混じるように感じる。泣きの旋律。それでいて優しく。心地良いアンサンブルに耳を傾け、聞き入る。良いねえ。しんみりとじわじわ心に沁みて来る。
そしてMC。お客さんが入り切らなくて会場が押したらしいです。配布CDはぐしゃぐしゃにならないように幸也さんの粋なはからいで終演後渡してもらえるとの事。坪本伸作くんと一也さんで渡してくれるみたいです。
そしてJILSのLIVEのお話。それから今日のLIVEが北海道で良いLIVEが出来て浮かれている時にオファーを頂いたので演ることになったみたいです(笑)。そして幸也さんからの感謝のお言葉。和やかに拍手喝采。
最近久しぶりに演るようになったと言うさよなら。音源を持っているのですが、一也さんもいるしやっぱり生で聴く方が良いなあと思いましたね。流れる音の中にバイオリンが乗っかって来る感じとか絶妙で素敵。切なさと悲しみの中でそれでも振り返らず前へ進もうとする強さが音に出ていて良いですね。拍手喝采。
バンドの音でもアコースティックでも名曲だなあといつも思わせてくれるVincent。こちらの方が落ち着いた冷静な感じからの激情へと。坪本伸作くんのアルペジオ?から一也さんのバイオリンと吉岡先生のピアノが追い掛けて来る感じがゾクっとしますね。何かを思い返すような丁寧さがまたたまらない。幸也さんの声もバンドバージョンの時よりも繊細で壊れそうで。その中で強さを引き出して来るような歌声が良い。拍手喝采。
そしてこれは意外と珍しいんじゃないかと思う喪失。悲しさと諦めと光の間を行ったり来たりする葛藤と言うか苦悩みたいな展開が表現されていて凄い。JILSのCDで聴いた時は感じ取れなかった微細な表現が、演奏の旋律と幸也さんの歌声で顕現化される。こういう部分はUKロックの流れを汲むところも大きいのかなと思ってみたり。どこか救いを感じる部分があるのが不思議。拍手喝采。
そしてCROSSROAD COMPLEX。ギターとバイオリンとピアノが奏でる音色の違いが大きくまとまって華やかに彩る。そしてピアノをベースにギターのスパイス、流れ込んでくるバイオリン。思い出を噛み締めるように歌う幸也さんの歌声が切なく、素晴らしい。反省も込められているのかな…。でもそれが輝かしかった事を、音で伝えてくれているような、そんな気がしました。余韻を残すアウトロ。拍手喝采。
そしてMC。ソロになるきっかけ。アコースティックで演ることの楽しさ。一也さんはバイオリンも久々だったみたいです。そして人間として一緒にいたかったのでお願いしたみたいです。ええ話や。
人の相性がいいと音の相性もいいと感じるみたいです。それが四人で全国ツアーをするところまで話が進んだと。結構アコースティックでの状態が良いようで、一也さんに刺激をもらって前向きに楽しんでやってらっしゃるとのこと。それは何よりですね。
それから坪本伸作くんの別ユニットアイドルのお話もしてくれました。見に行ったみたいです。そしてHOLLOGRAMを見に行った話も。そして一也さんのパートチェンジのお話など。
そして何年も演ってなかった楽曲もまた演ってみたいと思うようになったらしく。SE用の楽曲になっていたような感じがしていたけれど、またメンバーのおかげで演って良かったなと思えるようになったと話してくれて次の楽曲が始まります。
壊れたこころ。うーんドラマティック。メロディが輝かしく美しいんですよねーこの楽曲。自分の中で色々印象が変わって行った楽曲だけど、この歳になってやっと、ああ、良いなあと思えるようになった気がします。切ないはずなんですけど、明るさと優しさと、どこか前向きな感じが伝わって来る不思議な楽曲。これは幸也さんならではかな。伸びやかなバイオリンの旋律で終わる。拍手喝采。
そして休憩と言う名のMC。客席の緊張感を幸也さんが思ってのこと。
坪本伸作くんの活動のお話。そしてSHIGEさんのお話wここはちょっとSHIGEさんを思って割愛しておきますw結構な拍手と大爆笑でしっかり場は和みました(笑)。
そして幸也さんの音楽活動の突き詰め方について。食に例えたりして、自分の中にしか答えが無いと言うお話をしてくれました。そして何が良いかを決めるのは人生と経験、軌跡の中にしか基準と答えが無いのだと。
そしてようこそ、は忌野清志朗へのリスペクト、オマージュみたいです。俺ん家に来たと思って、にも言及しましたw
そしてD≒SIRE、JILSの解散のお話から先日のJILSワンマンについてなど。
そして幸也さんがJILS脱退を決めて、初めて作曲した楽曲だと言って始まったのはlost。本来であればこの楽曲は自分にとってアンテナに引っかからないだろうと思っていた楽曲なんですが、LIVEを重ねて行ったり、アコースティックでも聴いたりすることが心地良くて。何だか特別な感じも感じ取れるようになりました。それもまた長い歳月の中での積み重ねなのかもしれません。
配布された蝋燭ライトの印象もあるからか、イメージとしては思い出が川を流れる灯篭のように浮かんでは消えていくような情景が浮かぶ楽曲です。その中で気になった思い出を手で掬って拾い上げるような、そんな寂しさと思い出した時のぽっと心に灯がともるような感覚があるんですよね。またアコースティックに合う楽曲だとも思います。
バンドサウンドほど激しくは無いですけど、エモーショナルに。結構バンドサウンドとアコースティックで受け取る側の解釈にそれほど差異の無い楽曲と言う感じもします。あくまで個人的ですけど。区別されていないと言う訳では無くて、言いたい事はアレンジ違うけど一緒というか。言葉にすると上手く表せないですけど。そんな気がします。拍手喝采。
そしてバンドサウンドよりもよりドラマティックに感じるTEAR。イントロからのバイオリンソロが効果的でかっこいいですね。幸也さんの歌声はこれまでよりも強く激しく。それでいて時に流れるように。それに合わせるようにアウトロへと大きな川のように音が演奏が流れて行きます。そして涙が零れ落ちるかのようにスローモーションで終わる。拍手喝采。
そして個人的に大好きな夜曲。イントロのバイオリンが煉瓦色の痛みと言うか悲しみを携え、ギターの旋律は悲しみを比較的繊細に。ピアノが肉付けして増幅して、エモーショナルに濁流へと。流れは急激に表情を変えて。ピアノのアレンジも強いオーケストレーションなドラマティックさを彩る。それに合わせてギターもバイオリンも。幸也さんの歌声も激情を叩きつけるように。素晴らしい。拍手喝采。
そしてMC。普段お互い何も知らなくても、同じ音楽ひとつで繋がっていると言うことも素晴らしいと言うお話から、、同じ空の下、同じ月を見ていると言う表現になぞらえて始まります。
Missing Moon。この楽曲もアレンジによって表情が変わる楽曲ではありますが、それだけにアコースティックではエモーショナルさもひときわで。夜空の月を思い描けるだけの音が演奏で表現されています。
最初はひとり見上げる月を表現しているような。そんな穏やかな、それでいて切なさを、寂しさを表しているような音が紡がれます。バイオリンを軸に。ピアノで壮大に。ギターで歩みを刻んでいるような。その想いは風となって夜空を駆け巡り、月を通じて繋がっているんだよ。幸也さんの激情が歌声となって突き抜ける。
細く途切れそうなぐらいの何かでも。確かに繋がっていると言う説得力。それが音となって心に突き刺さる。遠い距離を一瞬で飛び越える程の。強さと優しさがそこにありました。演奏が駆け巡る。そして、この場所に。一人見上げる自分の元へと戻って来るように。ピアノの旋律で終わる。拍手喝采。幸也さんの名前を呼びました。
そしてクライマックスとして感じることの多いTRUTH -真実の詩-。確かな温かさと強い優しさを感じる楽曲。草原を風が暖かく吹き抜けるような。そんな情景の浮かぶ演奏の中、オーディエンスもサビをクラップで彩る。歌声とコーラスも力強く。飾りでは無い輝きが放たれるような。聴くだけで心温まるメロディ。そして演奏。そして突き抜ける歌声と大合唱。スキャット。大団円。拍手大喝采。メンバーコール。
ピアノの旋律からendroll.力強いギターのコード弾きと、流麗なバイオリン。終わりを歌う。振り返るように。激情を込めて歌い上げる。時に温かく優しく。それでいて確かな強さを携えて。ああ、そこで6/8は!めっちゃツボなんです!間奏で涙ぐんじゃいますがな。
アルバムをゆっくりと頭の中でめくるような。切ないのにこんなにも温かい。エモーショナルでありながら、喜怒哀楽の全てを詰め込んだような歌声が響く。アウトロでもまさにエンドロールのように。音は流れて行く。映画のエンディングを見ているかのような錯覚に陥る。
拍手大喝采。メンバーコール。素敵でした。SE endroll._Final ver.の中で出演者退場。
アンコールのクラップに応えて、幸也さんが登場。
椅子は今回少数だったのでそれについてのMC。もう一曲演って帰りますの言葉に拍手喝采。
そして幸也さんと一緒に音楽を演る人たちに対してお話。悪い事の方が伝わりやすいこの時代。比較されて落ち込むメンバーもいらっしゃるそうで。良いものは良いとしっかりと伝えてほしいというお願いをしていらっしゃいました。ワガママかも知れないけど、と付け加えて。一生懸命演奏してくれてるメンバーに伝えてほしいと言うお願いでした。
そしてこれからの予定など。SHIGEさんが集大成だと意気込んでるイベントのお話。それから吉岡先生、一也さん、坪本伸作くんと呼びこんで、オーディエンスもメンバーコールと拍手でお出迎え。そして幸也さんの感謝のお言葉。喉のお話。
光と影を繰り返していくことこそが人生だと思っています。感謝の言葉と共に。
最後の夜。
エンディングに合う楽曲はいくつもあるんですが、この楽曲は少ない言葉で全てを表現出来ているような、初めて聴いた時驚愕した楽曲です。この楽曲は多分幸也さんだからこそ表現できる繊細さと心遣いがあると思っております。演奏もコーラスも。彩るすべてが想いを込めて紡ぎ出される。シンプルながら何と言う名曲。
眠りに就く夢の前の一節。そんな事を思わせるような確かな強さと優しさと想いが歌声と演奏に溢れています。素晴らしい。心に響くものがある。エモーショナル。ドラマティック。激情が叩き付けられる。この声を、演奏を聴きに来ているんだと、改めて思い返されるような。スキャットで余韻に浸る。凄い楽曲だと思う。
そしてオーディエンスの大合唱との掛け合い。歌声と演奏が会場内を満たす。確かな時間。音。音楽がそこにある。永遠に続くんじゃないかと思いたいほどの。そして大団円。拍手大大喝采。メンバーコール。感謝の気持ちを伝え合う。素晴らしかった。SE endroll.#4 youの中、メンバー紹介。退場。そして幸也さんの感謝と満員御礼のお詫びと。素晴らしい音楽を会いに行った時に聴かせてくれる約束をしてくれて、幸也さんもステージを降りました。
物販予約をしていたので幸也さんと吉岡先生に感謝の気持ちとサインをして頂いて、帰り際配布CDを配って頂いた坪本伸作くんと一也さんに直接、『お二人も天才だと思ってますよ!』と感謝の言葉と共に伝えて、会場を後にしました。
【2017.09.03 SET LIST】
SE 壊れたこころ_Piano Ver.
01 Lullaby
02 君がいない
MC
03 さよなら。
04 Vincent
05 喪失
06 CROSSROAD COMPLEX
MC
07 壊れたこころ
MC(休憩)
08 lost
09 TEAR
10 夜曲
MC
11 Missing Moon
12 TRUTH -真実の詩-
13 endroll.
SE endroll._Final ver.
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※アンコール
01 最後の夜
SE endroll.#4 you
Tokyo Monochrome Factory Records
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